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Three Colors of Pinot

恒例の、ワイン試飲セミナー @ DEAN & DELUCAさん。

今回のテーマは、「ピノ」。

ピノ・ブラン、ピノ・グリ、ピノ・ノワール。
名前に「ピノ」が付くこの3種は、同じ遺伝子を持つ品種たちなのだそうです。

生産量は、いずれも、余り多くはありません。
育てるのが大変で、シャルドネほどの人気はなく、お値段もシャルドネよりお安いので、ビジネスとして・・・、という面もあり、伸びないのだとか。

残念ー・・・。


ところで。

今年、ピエモンテは、夏がとても暑くなり、ぶどうの収穫期が例年より大幅に前倒しになったのだそうです。

前倒しになった、その時期は、そして、ざ・夏休み。

皆さん休暇でお出掛けしており、他にどうしようもない為、ぶどう畑のオーナーさんが一人孤独に収穫に励む、そんな写真を見せて頂きましたー、お気の毒 ^^;

ヨーロッパ全体が、春は霜と雹の被害を受け、夏はものすごい暑さ、ローマ辺りでは水不足の問題まで発生。
ぶどうも、古木になると、根が深く張っている為、水を吸い上げる力もあり、持ち堪えた様ですが、根の浅い若木は暑さの影響をかなり受けてしまい、ぶどうの収穫量はいつもの年の60%まで落ち込んでいる様です。
温暖化の影響はやはり恐ろしいものがあるんですね・・・。

トスカーナ地方は、でも、幸い、特別猛暑等にはならなかった様で・・・、無事な地域があって良かったと思いました。


ピノの話に戻りまして。

ピノ・ノワールは、ローマ時代からイタリアで栽培されていた古い品種です。
12世紀頃から、ノワール、グリ、ブランの三種類別のセレクションが行われる様になりました。
ノワール=黒は、DNAがアンバランスな為、沢山のバリエーションが生まれ、たまに、1本の木のうち1つの房だけ丸ごと白やピンクっぽい皮の実が成ったりします。
味に変調を来たす為、その房は使わないのだとか。

ピノ・グリのグリ=グレー。
グレーと言いながら、実際にはピンク掛かった色の皮です(と言われているそうですが、自分には殆どふつーに黒ぶどうの皮にしか見えない写真の方が多いです・・・色オンチですみません ^^; ノワールと2つ並べると若干薄い様な気もする、という程度 ^^; )。
こちらも、ブランとノワールがミックスされた房なども出来るそうですが、味にはさほどの影響がないそうで、その房も遠慮なく使うそうです。

ピノ・ブランのブランは、白。
白ぶどうです。
やっぱりこちらも混ざるのだそうですが、多少であれば、まんま混ぜて使うそうです。


さて、ピノ、と言うと、何となく、まるっと、アルザス、つまり断然フランス産、と言うイメージがあるのですが、生産量として多いのは、ドイツだそうで。

ピノ・ブランの生産量多い順は、ドイツ→イタリア→オーストリア→フランス→アメリカ。
ピノ・グリは、イタリア→ドイツ→フランス→アメリカ→オーストリア。
ピノ・ノワールは、フランス→アメリカ→ドイツ→モルダヴィア(東欧)→イタリア→ニュージーランド→オーストラリア。

三種類どのぶどうでも、ドイツが上位の生産量を誇っています。
ピノ・ノワールの生産量でフランスとアメリカが多いのは、ビジネス的な側面が強く影響しているそうで、ドイツは三位。
笑。

では、何故アルザスのイメージか?と言うと、戦争による領土の奪い合いという悲しい歴史の為・・・、ピノたちの生産量が多いアルザスの辺りは、かつて、フランス領になったりドイツ領になったりしていたのですよね・・・ T_T
現在の実際の主な産地は、そして、ドイツだ、という・・・。

オーストリアや東欧での生産がある事に関しては、カルロ5世 @ 神聖ローマ帝国が関与。
ブランとグリを気に入り、ハンガリーに持って行って広めたそうです。
その後、アルザスとドイツまでは、来た・・・、ブルゴーニュ原産(西欧)のぶどうが東欧に行き、また西に戻って来たという感じです。
雨が少なく乾燥しており、ブランもグリも、育て易いのだそうです。
元々ブルゴーニュ出身のピノ一家なのに、ブルゴーニュでは、ブラン・グリは病気になり易く、生産はほぼ無理・・・と言うか、商売になる程の量を作るのは難しいのでしょうねー・・・、ノワールだけは何とか大丈夫な様で、ブルゴーニュの赤と言えばピノ・ノワールですが。

さて、全ワイン品種別の生産量で見ると、先ほども触れましたが、ピノ勢は余り多くはありません。

1. Cabernet Sauvignon → Merlot→ Airen (ブランデー用の白ぶどう@スペイン) → Tempranillo → Chardonnay → Syrah → Grenache → Sauvignon Blanc → Trebbiano Toscano → 10. Pinot Noir →→→ 19. Pinot Gris →→→ 52. Pinot Blanc

一番多いピノ・ノワールで10位、グリちゃん19位、ブランちゃんは52位です。
やはり、先ほどお話致しましたが、絶対的に育てにくいのが大きな要因、そして、人気の度合いです。
原産地のフランスですら、ノワール以外の生産量は激少、ブランは、それこそ、先にお話ししたアルザス地方でしか作っていない・・・。
生産量が少なければ出回る量も少ない訳ですから、人気も出にくいですよねー。
致し方ないと言ったところでしょうか・・・。


本日のワインたち ^^


Pinot Blanc 2015 - Torii Mor - 米

ん?鳥居?

実際、鳥居があるそうです。
笑。
こちらとかこちら(19番目)に写真があります。
何で鳥居があるのか、サイトをちゃんと読めば書いてあるのかも知れませんが・・・、すみません、読んでません ^^;
"Mor"はスカンジナビア語で、「地球の入り口」という意味だそうです。
鳥居も入り口ですねー・・・。

ピノ・ブラン 100%。

1972年~ぶどうの栽培を始め、1985年にDr. Donald Olson が伝統的なピノ・ノワールを作りたい、と、ぶどう畑を購入、ワイン作りをスタートしました。
現在はフランス人とイタリア人のワインメーカーがワインを作っています。

ワイナリーがあるのはオレゴンですが、ピノ・ブランの生産量は、オレゴンの全ワイン生産量の1%。
こちらのワイナリーでも、主力はピノ・ノワールで、ブランの生産は最少だそうです。

ピノ・ブランは、一般的には樽の香りをつけることは余りせず、ステンタンクを使う方法が主だそうですが、こちらは、75%ステン、25%は古い樽を使用。

ピノ・ブランの一般的なイメージは、パイナップル、バナナ、洋ナシ、フルーツグミ等だそうですが、自分的には、主に、柑橘系、特にグレープフルーツや、柑橘系の皮の風味を感じました。
後から酸味が来ます。
ブラン100%のワインは初めて頂きましたが、美味しかった ^^

レモンクリームとホワイトマシュマロソテーを添えたヒラメステーキと。


Pinot Gris Barriques 2014 - Domaine Ostertag - 仏

ピノ・グリ100%。

現オーナー、アンドレ・オステルタグの父上が、1966年~始めたワイナリー。
アンドレ氏は、ブルゴーニュでワインを学び、1997年より、こちらでワイン作りを始めました。

Barriques=300リットル位の小樽。
対して大樽は、Foudre。

アルザスでは、一般的に、大樽を使うそうですが、元々ブルゴーニュ出身のピノ一家のワインを作るのだから、ブルゴーニュ風に樽を使うべし、と、なった様です。
なので、バリーケは、このメーカーのオリジナルとか。

ただ、この、樽を使ってのワイン作りのお陰で、このワインを作り始めた1983年当初は、AOCを認められなかったそうです。
それでも、と、樽を使って作り続けた事には、情熱を感じますね~ ^^
今はOKになり、AOCが付いています。

その、1983年より、こちらのワイナリーでは、生産を、ビオディナミにスイッチ。
良かことです ^^

因みに、踊っている木のエチケットは、アーティストであるアンドレ氏の奥様が描かれたもの。
素敵ですね~ ^^

ピノ・グリ100%のワインも初めて頂きましたが、ブランよりもぎゅぎゅっと凝縮した感があります。

2種類のワインの色の違い・・・、分かりますでしょうか。
左がブラン、右がグリです。

Three Colors of Pinot_c0192744_21270965.jpg

ブランが減り過ぎてていまいち分かりづらいでしょうか・・・、申し訳ありません ^^;

ピノ・グリのイメージは、はちみつ、もも、ヘーゼルナッツ、バナナ、バタースコッチ。
その通りに、はちみつにもも、そして花の印象がありました。

ポークフィレのロースト+スライスチーズ+ハムのホットサンドなんかと・・・ハニーローストでマスタード添えて。
または、スパゲッティー・ボンゴレ ^^

Pinot Noir 2014 - La Crema - 米

ピノ・ノワール 100%。

1979年~ぶどう作りを始めました。
1993年に、Jess Jackson氏がワイナリーを購入、ほぼピノ・ノワールとシャルドネですが、ピノ・グリと、私の大好きなゲベルツトラミネールも生産。
素晴らしいじゃありませんかーーー ^^

ワイナリーがあるのは、アメリカのブルゴーニュと言われている土地。
このワインに関しては、他社を含む7ヶ所のぶどう畑からのぶどうを使って作っています。
新樽21%のフレンチオークで7ヶ月半の熟成。

ワインメーカーさんは、Elizabeth Grant-Douglasさんという女性です。
その為か、やわらかな印象がありました。
軽めで、クランベリー、ラズベリー、ストロベリーにチョコレート、トースト・・・。
ピノ・ノワールらしいピノ・ノワールです。

美味しい ^^

エビ+ホタテ+サーモン+マグロに白黒ゴマまぶしたもの+オニオン+レモンなんかを串にして、塩・胡椒、オリーブオイルで、グリルかフライパンで焼いて、サワークリーム(又はヨーグルト)+レモンのディップを付けて・・・。

お料理の例を挙げる時って、著作権とかあると思うのでこちらに載せないのですが、すご美味しそうな写真を見せながら説明して下さるんですよーもー垂涎 ^^;


Pinot Noir 2014 - Santa Barbara Winery - 米

ピノ・ノワール 100%。

1962年~の家族経営のワイナリーです。
Santa Barbaraで初めてワイナリーを作った家族だとか。
当時はぶどう畑がなかったので、他社から買ったぶどうでワインを作っていたそうです。
今は、自社畑もあり、このワインは、100%、自社畑からのものを使っています。

山間にあるぶどう畑は冷涼な地。
ピノ・ノワールとシャルドネを主に作っています。

新樽16%、仏産樽で10ヶ月の熟成。
こちらはBruce McGuireという男性のワインメーカーが作っているそうで、↑ の、女性が作っているワインと比べると、やはりがっしりしているというか、マスキュリンな感じがありました。

スモーキーでふくよか、美味しいワインでした~ ^^

きのこパスタ、マグロの赤身のたたきのソイバターソース掛けをルッコラとレンズ豆のサラダに載せて。
レンズ豆はワインの渋みに合うのだそうです。


本日のおつまみ ^^

Three Colors of Pinot_c0192744_21274982.jpg

ワインの色の違いが見える様に撮ったのでお料理の方は見づらいのですが^^;

奥から、グリルオレンジとタジャスカオリーブのサラダ(Dean & Deluca)、イワシとケッパーベリーのワインビネガーマリネ(Dean & Deluca)、鴨のロースト 洋梨ガストリック(Dean & Deluca)、スモークチキンブレスト(ホワイトスモーク)、柚子トマト(亀蔵)、モッツァレラチーズ(ファットリアビオ北海道)。

全部美味しかったけれど、イワシがたまらんでした~ ^^


ピノ(中でもノワールちゃん)の季節の始まりに、美味しいピノたちを、ご馳走様でした~~~! ^^


by yukosy | 2017-09-15 23:59 | Comments(0)